こんにちわ。
みなさん、京都のお祭りと言えば何を思い出されますか?
葵祭、祇園祭、時代祭のいわゆる『三大祭』がことに有名ですが、
京都には、それ以外にも民衆の生活と結びついたたくさんの伝統的な『お祭』(あるいは『行事』)が残っているんです。
そんな伝統行事の中から、先日行なわれた『節分』にまつわるものをご紹介します。
毎年2月2日~4日にかけて行なわれる壬生寺(みぶでら)の『節分会(せつぶんえ)』です。
(ケータイ画像のため、粗くてすいません。)
『壬生寺て、聞いたことある名前だなぁ...』
おそらくみなさんにとっては、『壬生寺=新撰組(壬生浪)→幕末』のイメージが強いのではないかと思いますが、実は正暦2年(991年)建立、『お地蔵さん』として地元に1000年以上の信仰を集める由緒正しいお寺なのです。
お祭の間は、四条通からお寺へと続く細い露路の両側にまでビッシリ露店が出て大変賑やかです。
その中で目をひくのはこの『厄除けほうらく』のお店です。
『ほうらく』という大きな素焼きの皿(神護寺さんのかわらけを特大サイズにしたようなもの)に、
自分や家族の名前などを書いてお寺に納めると、一年の厄除けとなると言うものです。
たくさんの方が奉納されていて、今でも信仰の篤さを感じます。
さらに最大のイベントとして、節分会の際に寺で行なわれる『壬生大念仏狂言』(通称:壬生狂言)があります。
仏教の講話などをモチーフにお芝居に仕立てたもので、現在は国の重要無形民俗文化財に指定されています。
(
その関係で残念ながら写真を取ることができませんでした。)
節分会の時行なわれる演目は鬼退治のお話で、クライマックスで鬼に豆を投げつけるシーンでは、会場から拍手が上がることもあります。
この『壬生狂言』、もともとは正安年間(1300年ごろ)に火災で焼失したお堂の再興のために行なった『融通大念仏会(ゆうづうだいねんぶつえ)』に起源を発しています。
要は『仏教を(ウチのお地蔵さんを)篤く信仰すれば、こんなご利益が有りますよ』というのを、おもしろおかしく無言劇に仕立てたワケです。
このわかりやすさが当時の民衆に受け、今で言うなら『爆発的大ヒット!』を記録し、それを元手にお堂が再興され、めでたしめでたしとなったわけです。
ちなみに『壬生狂言』のことを、地元の古い方々は『カンデンデン』と呼ぶようです。
笛と太鼓、そして鉦(カネ)だけの『デンデン♪カァ~ン♪』と簡素なお囃子を聞いたまま、表現しているのがおもしろいですね。
今では、その演目も30番を数え、節分会の他にも4月と10月におよそ1週間ずつ『壬生大念仏狂言』として開催されています。興味のある方は、次は4月の21日からですよ!
【壬生狂言の詳しい内容や画像は、
コチラなどをご参照ください。】
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京都市網間区 島海通月兎小路下る東入る
仮想膳屋『京都・月海小路』
店主 maru敬白
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